前回、デスクトップ型PCをSSD化した検証結果を紹介致しましたが、今回は実際に私の作業PCをSSD化してみましたのでそのレポートをしてみたいと思います。
PCでゲームをする人や、ゲーム機のHDDをSSDにして「ゲームの起動やセーブが速くなった!」とは良く聞きますが、ビジネスPCをSSDにして「仕事の効率が上がった!」「売上が上がった!」という声はあまり見かけない気がするので、早速私のPCで検証したいと思います。
これまでの私のPCは朝出社し、電源を入れ、メールチェックが出来る状態になるまでに15分くらいかかっており、朝礼までにメールを見ることが出来ないことも多々ありました。
導入当初は気にならなかったPCの起動も、2年もすると重くなって来ているのを感じます。
この状態のPCがSSD化されることにより、実際の私の仕事はどこまで効率化されるのでしょうか。
作業用PCのSSD化概要
今回はOSのクリーンインストールを行います。
移行ツールを使い、バックアップから復元で移行する手段もありますが、2年ほど使って要らないツールや細かい不要ファイルもたまっていると思いますのでクリーンインストールを選択しました。
移行前の私のPC
- OS:Windows7 Pro
- CPU:Intel Corei7-2600
- メモリ:8GB
- HDD:500GB SATA2接続
- エクスペリエンスインデックス プライマリハードディスク:5.8
残念ながらSATA2接続なのでSSDの性能を十分には引き出せませんが、前回の検証からSATA2でも圧倒的に速くなるので入れ替える価値は十分にあります。
前回検証したこのSSDに換装しました。
結果!SSD化して私の作業は効率化されたのか?
朝、始業時のメールチェックまで15分かかっていたものが2分ほどで済むようになりました。
始業のタイミングで10分以上の短縮となっています。
メールのチェックの後、メールのやりとりや簡単な作業依頼であればできてしまうくらいの余裕があります。
また、朝礼、朝会前にある程度の一日のスケジュールがたてられる事によって、その日のスタートから変わってくる気がします。
日々の5分10分の作業の積み重ねが年間を通してみると変わってくると思います。
朝のひと幕だけで大幅に作業時間の短縮ができたと思います。
その他のアプリケーションなどの動作はどうでしょうか
OSを含めたPC全体の動きがとても軽快でWebサイトの閲覧からマイクロソフトオフィス、Adobe系ツールに至るまで私が業務で使うものの全てが速く、確実に効率は上がっていると思います。
当初、ファイルサーバ内のデータについてはネットワーク越しのHDDを用いたサーバにあるためSSDの恩恵は受けにくい予想をしていたのですが、
アプリケーション自体がとても軽快に動作しているので、「通常の」ファイルを開く、保存するといった動作は以前より速くなっている気がします。
それでは重いデータではどうでしょうか?
業務の性質上、お客様からファイルサイズの大きいデータ(イラレやフォトショ)を受け取り、それを元に作業を行うことが多々あります。
このようなデータについては、「アプリケーションの起動は速い」がその後の「データの読み込みは今までと同じ」となっております。
当然といえば当然なのですが、保存に関しても同様で重いデータの場合は保存に十数秒かかったりしています。
実際の作業を行ってみて
まだSSD化を行って1週間ほどではありますが、実際に飲食店向けのサイト更新作業を行ったのでその感想を少々。
作業内容は
・Adobeツールを使い、大きい写真をWeb用に補正、加工
・テキストエディタでHTMLコーディングを行い複数のブラウザで確認
・FTPツールでサーバへアップロード、本番環境で確認
この作業の繰り返しなわけですが、一連のサイクルにアプリケーションの起動待ちや切り替え待ち、ブラウザのもたつき等がなく作業効率が上がっていたと思います。
結論
前回のSSD化の検証結果にもあったように間違いなく「SSD化によって作業効率は確実に上がる!」と断言できます。
私の環境ではありますが、朝のメールチェックだけでも10分、一日を通してみるとそれ以上に短縮できていると思います。
みなさんの環境ではもっと効果が高い可能性もあります。
ここで前回の検証結果の文章をもう一度・・・
SSDを導入することによりPCを使った全ての動作が速くなると言えると思います。
仮にSSDの導入で「1日5分」節約が出来たとします。企業平均年間休日(休暇)110日とし、255日を出勤日とすると、
5(分)×255(日)=1,275(分)=21.25(時間)
となります。いち社員が21時間仕事に費やすことによって生み出す利益を考えると、SSDを導入するのにかかる費用は簡単に取り戻す事ができると思います。
しかも、PCを使って仕事をする社員が10人、20人、30人といらっしゃる場合はどうでしょうか?
年間を通して大きなプロジェクトをひとつふたつ余分に出来るかもしれません。
「時は金なり」と良く言いますが、PCで作業をすることが増えた昨今、PC作業の効率化が企業の売上、利益向上につながるといえるのではないでしょうか?
移行作業は大変かと思いますので、新しくPCを購入する際には「ストレージをSSDにする」という検討を行ってみてはいかがでしょうか?
導入コスト以上の見返りがあると思います。
ご検討の際は弊社スタッフへお声掛け下さい。
実際に行った移行工程はこちら
移行データのバックアップ(エクスポート)
クリーンインストールを行うため、消えてしまっては困るデータ、移行しなくてはいけないデータの洗い出しを行い、移行用データとして別にまとめておきます。
- メールデータ(メール、アドレス帳、振り分けルール)
- FTPツール設定データ(FileZilla、WinSCP)
- フォント
- 社内コミュニケーションツールのログ
- お気に入り(ブックマーク)
後述するアプリケーションインストールファイルとともにこんな感じにひとまとめにしておきます。
その他にIMEの辞書などお使いの方はそれを。
また、弊社の場合、画像やHTMLソースなどのお客様のデータはすべて社内のファイルサーバに置いてあるので移行の必要はありません。
意図的にこういったデータをPC内に貯めないよう注意しながら運用していますので、PCの取り替え時などに便利です。
また、PCが壊れてしまった際もデータを失うことがありません。
この運用方法は弊社が実践しており、お客様にもおすすめしている方法です。
気になる方は弊社スタッフまでご相談下さい。
移行後インストールを行うアプリケーション
続いてインストールを行うアプリケーションのインストールファイルやディスクを用意します。
※Adobe系のツール、マイクロソフトオフィスなどライセンスが伴うアプリケーションををお使いの方は「ライセンス認証の解除」もしくは「アンインストール」を忘れずに行って下さい。
- OS Windows7 Pro
- チップセットドライバ
- ウィルスチェックソフト NOD32
- マイクロソフトオフィス2010(Outlook、Word、Excel、PowerPoint)
- Adobe Design and Web Premium CS6
- FTPツール(FileZilla、WinSCP)
- HTMLエディタ等開発ツール
- 各種ブラウザ(Firefox、GoogleChrome、Safari)
- その他、コミュニケーションツール等
移行作業開始
全体的な流れとしては、
1. 移行データをUSBメモリや外付HDDにコピー
2. PCをシャットダウンし、HDDとSSDを差し替える
3. SSDにWindows7をクリーンインストール、アップデート
4. 各アプリケーションのインストール、アップデート
5. 移行データの復元
となります。
移行作業の注意点としては
検証の際に分かりましたが、SSDといえどもOSやアプリケーションのアップデートにはかなり時間がかかります。時間に余裕がある時に作業を行わないと、急な作業依頼やトラブルがあった際に対応が出来なくなってしまいます。
お約束のSSD速度チェック。予想通りSSDの性能を出しきってはいないようですが、
かなり速度アップしています。
エクスペリエンスインデックスの数値も5.8から7.8に上がりました。