前回はWorkDocsを紹介しましたが、今回はAWSの中で同じエンタープライズアプリケーションに属するWorkMailについてレビューしていきたいと思います。
WorkMailとは
WorkMailはAWS上で動作するメールとカレンダーのサービスです。
似ているサービスですとGmailやGoogleカレンダーでしょうか。
1ユーザーあたり月額4ドル(約500円)で利用ができ、メールボックスの容量は50GB。
またWorkMailはまだプレビュー版であり、利用できるリージョンも限られていて現在使えるのは以下の3リージョンのみです。
- 米国東部(バージニア北部)
- 米国西部(オレゴン)
- EU(アイルランド)
残念ながら現在は東京リージョンには対応していません。
WorkMailの製品詳細ページを確認すると、WorkMailが保有する機能として以下のものが挙げられています。
- Outlookとの互換性
- エンタープライズグレードのセキュリティ
- Active Directory の統合
- 機能豊富なウェブクライアント
- モバイルデバイス管理
- スパムやウイルスからの保護
- 移行ツール
今回はメール機能に絞って紹介したいと思います。それでは実際に使ってみましょう。
セットアップ
使い始めるまでの要領はほぼ前回のWorkDocsと同じですので省略しますが、今回はプレビュー版ということもあり、全て英語で戸惑いました。
前回と同様に進めて、使える準備が整いました。
次にメールユーザーの作成です。Add Userボタンをクリックしてユーザーを追加します。
ユーザー情報を入力。ちなみにUser nameの部分がメールアドレスの@より前の部分になります。
そしてパスワード入力。WorkMail内のOrganizationsの項目で独自ドメインの設定を行っている場合には、ここで独自ドメインを選択することができます。
ユーザー登録が完了しました。英語ではありましたが設定は簡単にできました。
では使っていきたいと思います。
ログインして使う
ログインURLはOrganization settingsの中にあります。Web ApplicationのURLです。
アクセスするとログイン画面が表示されるので先ほど作成したユーザー情報でログインをします。
これがログイン後の画面。全体的に英語なのはプレビュー版なので仕方ないところですが、日本語になるだけでも違う印象になりそうです。
では新規メールを作成してみます。New emailをクリック。
一般的な新規メール画面。表示は英語ですが日本語の入力も可能です。
次に設定画面を確認します。右上の設定ボタンをクリック。
設定画面でできるのは言語設定、メール容量の確認、表示位置の変更、メッセージフィルタ、自動返信などで、設定項目としてはあまり多くありません。
参考までにこちらがGmailの設定画面。
GmailではSMTP接続設定や署名、ラベル付け、最近では送信取り消し機能などがありますので比較するとかなり見劣りする結果になりました。
Outlookやスマートフォンにも対応
Webブラウザだけでなく、Outlookやスマートフォンにも対応していますので、Outlookを使っている人は乗り換えに違和感はなさそうです。
WorkDocsと連携
前回紹介したWorkDocsと連携し、WorkMail間ではメールへファイルを添付せず、WorkDocsへ保存することが可能です。
企業内部でセキュアにやり取りすることができます。
類似サービスと比較して
独自ドメインも使えるし、迷惑メールフィルタもありますが前述の通り類似サービスと比較してしまうと全体的に機能不足を感じました。
また現時点では類似サービスに対しての明確な差別化ができていないため、積極的に乗り換える理由があまりないように感じました。
加えて、GmailではAPIやスクリプトが豊富ですが、WorkMailにはAPIがありませんし、ドキュメント類も少ないため「GmailでできていたことがWorkMailだとできない!」なんていうことも発生しそうです。
企業向けとして考えた場合、WorkDocsと連携してファイルを添付することなくAWS配下で完結することが可能なのは魅力ですが、それはWorkMail内だけの話で、外部へメール送信する際にはやはり添付することになります。
これらのことを考えると企業向けでガンガン使っていく段階ではないように感じました。
まとめ
WorkMailのレビューいかがでしたでしょうか。
全体的に先行しているサービスと比較して優位な部分があまりないどころか、機能的に見劣りする部分が目に付いてしまうというのが正直な感想でした。
それだけGmailなどの既存サービスが良くできているということかもしれません。
しかしながらまだプレビュー版ということもありますので、今後の大きな進化に期待したいと思います。