これまでVPN構築の中で
などNTTが提供しているフレッツ・VPNワイドを利用したVPN構築例を紹介してきました。
弊社でもお客様へフレッツ・VPNワイドを利用したVPN構築を行ってきました。その中で本社や支店の移転に伴うフレッツ・VPNワイドの移転手続きや、旧サービスであるフレッツ・グループアクセスからフレッツ・VPNワイドへの変更に伴うVPN再構築も行いました。また、お客様が独自にフレッツ・VPNワイドを利用したVPN環境で支店の移転にはどのようにすればよいかご相談頂くことがありました。
そこで今回は拠点の引っ越しに伴うフレッツ・VPNワイドの移転方法を紹介します。
フレッツ・VPNワイドとは?
まずはフレッツ・VPNワイドについて簡単にお話します。
フレッツ・VPN ワイドはNTTが提供するVPNサービスです。NTT東日本のエリア内でフレッツ光ネクストやBフレッツなどの回線を利用して本社と支店間など複数の拠点を接続することができます。
ここで気を付けなければいけないことがあります。
それは光回線の種別です。
フレッツ光ネクストの回線とありますがフレッツ光ネクストは
- フレッツ光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプ
- フレッツ光ネクスト ファミリータイプ
- フレッツ光ネクスト マンション・ハイスピードタイプ
- フレッツ光ネクスト マンションタイプ
のみ対応しています。
- フレッツ光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ
- フレッツ光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ
- フレッツ光ネクスト ファミリー・ギガラインタイプ
- フレッツ光ネクスト マンション・ギガラインタイプ
には対応しておりません。上記の回線にはフレッツ・VPNプライオというサービスが提供されております。
今はフレッツ光ネクスト ギガファミリー/ギガマンション・スマートタイプが主流になっているのでフレッツ・VPNワイドを利用する場合には注意が必要です。
また、フレッツ・VPNワイドはVPN管理者とVPN参加者に分かれますが、VPN管理者はフレッツ光ネクストの回線が必須となります。
詳細は下記のNTT公式サイトをご確認ください。
フレッツ・VPN ワイド 提供条件
フレッツ・VPNワイドの移転
ここからフレッツ・VPNワイドの移転についてお話致します。
本社や支店の引っ越しに伴うVPNの再構築やNTTへの申請などは意外と手間と時間が掛かり大変な作業になります。特にVPN管理者となっている回線の場合、フレッツ・VPNワイドで接続している全ての拠点に影響があり業務に支障が出てしまいます。
しかしながら下記の条件がそろうことでフレッツ・VPNワイドの移転ができます。移転するということは企業識別子やアカウント情報がそのまま利用できるのでルータ再設定の必要ありません。(プロバイダ接続アカウント情報の変更が必要になる場合があります。)ルータを移転前から移転先に持っていくだけで移転前と同じように利用することができます。
その条件とは・・・
- NTT東日本のサービスエリア内であること
- 移転先の回線種別は移転前と同じ回線種別が利用可能であること
になります。上記2つだけでフレッツ・VPNワイドの移転ができます。
移転可能
上記のように移転先が移転前と同じフレッツ光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプが利用できるので移転が可能です。
移転不可能
上記のように移転先の回線種別がフレッツ光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプの提供をしていない地域の場合は移転ができません。
このような場合どうすればよいか。既存のフレッツ・VPNワイドを解約する必要はありません。下記でその方法をご説明致します。
VPN管理者の変更
まずはじめに、VPN管理者をE支店に変更します。E支店に管理者を変更することで本社の契約を解約しても既存のフレッツ・VPNワイドに影響はありません。
本社移転後はフレッツ光ネクストファミリータイプでVPN参加者として既存のフレッツ・VPNワイドに新規で接続することで今までと同じように利用することができます。
この場合、フレッツ・VPNワイドのアカウント情報が変更になるのでルータの再設定が必要になります。
手続き方法
フレッツ・VPNワイドの移転は既存の光回線を移転することで手続きができます。
まずは、
0120-116116(NTT東日本 サービスお問い合わせ)
に電話します。
電話では新規ではなく既存の光回線をそのまま利用するための移転とフレッツ・VPNワイドを利用していることを伝えます。その後は工事日の調整などの話になり、工事日を待ちます。
フレッツ・VPNワイドは光回線の移転工事が完了し接続ができ次第、利用できるようになります。VPNの廃止や新規申請の手続きは必要ありません。
また、移転なので企業識別子やアカウント情報の変更もありません。
さらにフレッツ・VPNワイドを利用して複数の拠点を接続している場合でも移転する対象回線以外は通常通り利用できます。
移転を有効活用しよう
フレッツ・VPNワイドを利用して複数の拠点と接続している企業とって、本社や営業所の移転時にはできるだけ業務に支障がでないようにしたいとみなさん考えます。今回のようにフレッツ・VPNワイドの移転をすることで、他の拠点の影響は最小限だけで済み、また移転先の環境にもよりますが、VPN再構築の必要もなくそのまま移転先にルータを持っていくだけで使えるので時間とリスクと抑えることができます。
移転と考えるとインターネット回線など新規に申し込みをしなければならないと考えてしまいますが、回線の移転という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。