みなさんは、Google Cloud PlatformというGoolgeのサービスをご存知でしょうか?
2013年にGoogleが本格的にIaaS事業に参入することが発表され、翌年の2014年は一気に展開が進み、広く一般にサービスとして利用できる状況になりました。
既に普及の段階に入っていますが、まだまだ同業界ではAWSが認知度、利用度ともに群を抜いている状態かと思います。
※2015年9月にMM総研が発表したパブリッククラウド(Iaas/Paas)の国内企業における利用シェアはAWSが41.4%でトップ、次いでAzureの18.7%、Google Cloud Platformが12.7%という形です。
今回から2回に渡り、そろそろ巻き返しを見せるかもしれないGoogle Cloud Platform(以下、GCPと略)について紹介します。
第1回目ではGCPの構成要素およびGCPの特長について、続く第2回目ではAWSとの比較を行います。
GCPとは
GCPはGoogle がクラウド上で提供するサービス群の総称です。Amazonが提供するAWSに相当しますが、Googleが自社インフラとしてのクラウド環境を外部の私達に丸々開放したという点が特徴的です。
つまりこれは、Google 社内で使われているものと同じテクノロジーやインフラを使用して、私達のインフラ環境をクラウド化できるということになります。
GCPの構成要素
GCPは以下に挙げるようなコンポーネントで構成されています。
Google Compute Engine
AWSのEC2に相当。
スケーラブルで高パフォーマンスの仮想マシンを提供するサービスです。
マイクロインスタンスから 32vCPU や 208GB メモリ インスタンスまでのあらゆるニーズに対応する、事前に定義された仮想マシン構成を提供しています。
(Googleのサーチエンジン、Gmail、YouTubeなどの構成要素として使われているインスタンスと全く同じインフラ基盤上で動いていると考えると凄さが分かるかと思います)
Google Cloud SQL
AWSのRDSに相当。
MySQL 5.5, 5.6 が選択可能なフルマネージドRDBサービスです。
Google Cloud SQL を使うと、パッチやアップデート、バックアップや複製の設定など、単調ですが必要で、時に時間のかかるタスクを Google に任せることができるようになります。
Google Cloud Storage
AWSのS3に相当。
GCPのストレージサービスの1つです。ファイルの静的配信に利用できるほか、GCPの各種サービスのデータストアとしても利用可能です。
Google Cloud DNS
AWSのRoute53に相当。
高いパフォーマンスを特徴とするDNSサーバを使用して、ゾーン・レコードの設定と管理が行えます。
Google App Engine
AWSのElastic Beanstalkに相当。(Googleが提供するPaaS)
スケーラブルなウェブ アプリケーションやモバイル バックエンドを構築するためのプラットフォームです。App Engine 上でのアプリケーションの作成は簡単で管理しやすく、トラフィックやデータ量の増減にあわせて簡単にスケールします。
Python, Java, PHP, Goなどで書いたコードをデプロイ※して実行できます。ウェブサーバやデータベースサーバを別途インストールする必要がなく、数100万オーダーのリクエストにも自動スケールします。
※デプロイとは
主にネットワークを通じて提供されるWebアプリケーションなどのシステム開発工程において、システムを利用可能な状態にすること。
GCPの特長
次にGCPの特長について説明します。
特長1 Google 検索、Gmail、YouTubeと同一のインフラを低コストで利用可能
GCP最大の特徴は、
「一瞬で数十億件の検索結果を返して、 月に60億時間YouTube 動画を再生し、4億2,500万人ものGmailユーザーにストレージを提供している」
このGoogle のインフラと同じインフラを低コストで利用することができるようになることにあります。
特長2 使用量に応じてスケールアップ&スケールダウン可能
GCP には、負荷に応じてインスタンス数を自動的に増やしてくれる機構(Autoscaling)があります。
料金は、従量課金性で利用した分だけの支払いとなります。
特長3 世界最先端のインフラ
世界最大のネットワーク
Google が提供するネットワークは世界最大といっても過言ではありません。
数千キロの光ファイバー・ケーブルや先進的なSDNにより、高速かつ安定した通信パフォーマンスを実現しています。
冗長性
世界中に複数のPOP(Multiple Points of Presence)を配置することで、強力な冗長性が実現されています。データは複数の場所にあるストレージ に自動的にミラーリングされます。
GCPの構成要素およびGCPの特長についての説明は以上です。
第2回目ではAWSとの比較を行いますのでそちらもご覧ください。