お客様のところでネットワーク環境を調査したり、障害対応や設定変更を行ったりする時によく使うソフトウェアがあります。今回はそれらを紹介したいと思います。
コマンドプロンプト
まずは基本となる「コマンドプロンプト」です。
下記コマンドをよく使います。
- ipconfig IPアドレス情報を確認します。
- nslookup ホームページが表示できない時に名前解決ができるか確認します。
- ping 指定先との通信状態を確認します。
- tracert 指定先とのネットワーク経路を確認します。
上記はインターネットに接続できない時に障害がどこで発生しているのか、また、現状どのような設定がされているのかを調べるのに使います。
Wireshark
こちらも定番となるソフトウェアの「Wireshark」です。ネットワークを流れるパケットをリアルタイムで確認できます。
インターネットへの接続ができない、通信速度が遅いなどネットワークのトラブル時に原因の調査・特定を行う時に使います。
SoftPerfect Network Scanner
SoftPerfect Network Scanner はパソコンやプリンターなどネットワーク上の機器のIPアドレス、MACアドレス、コンピュータ名などをスキャンして表示するソフトウェアです。
お客様のネットワーク状況を確認するために、接続されている機器類の確認をするときに使います。また、ルータに設定されているDHCPの範囲とパソコンに設定されている固定IPアドレスが被っていないかの調査にも重宝します。
WifiMonitor
WifiMonitorは無線の電波状況をリアルタイムでモニターするツールになります。
現在接続しているアクセスポイントは太字で表示されます。無線LANの接続が不安定な時に他の無線LAN機器などによる電波干渉を調べたり、無線LAN機器の調査などに使います。
Ekahau HeatMapper
こちらは以前ブログでも紹介したことがある「Ekahau HeatMapper」です。無線LANの電波強度が一目でわかります。
無線LANの接続状態が良くなかった時や無線LAN機器の増設など電波がどこまで届いているのか現状を確認するのに大変便利です。
ネットワーク調査補助ツール
次に紹介するソフトウェアはネットワークの状態や環境を調査するソフトウェアではありませんが、より詳しく把握したり設定するのによく使うものになります。
BUFFALO製品のツール
BUFFALO製品がある場合、BUFFALOのサイトからダウンロードできるソフトウェアも使います。
無線LAN機器であれば「エアステーション設定ツール」
TeraStationやLinkStationなどのNASであれば「NAS Navigator2」
を使います。
2つのソフトウェアの便利なところは、無線LAN機器やNASのIPアドレスが分からなくてもネットワークに接続されていれば自動で機器の検出を行います。
■エアステーション設定ツール
エアステーション設定ツールはIPアドレス、MACアドレス、ネットワーク名、エアステーション名を表示してくれます。
■NAS Navigator2
NAS Navigator2はワークグループ、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、MACアドレス、NASのファームウェア、NASの機種が表示されます。
2つのソフトウェアで検出されたそれぞれの機種はソフトウェアからIPアドレスの変更が可能なのでとても便利です。しかし無線LAN機器やNASの設定画面へアクセスするパスワードまでは確認・変更はできません。
よくあるのがお客様で無線LAN機器やNASを設定された場合、設定された方が退職などでいなくなってしまうと設定内容がわからなくなってしまいます。このソフトウェアを使うことで設定内容を確認するためのIPアドレスや機種などがわかり、作業がスムーズに行うことができます。
WinMerge
「WinMerge」はテキストファイルなどの差分比較などを行うソフトウェアです。ネットワークの調査で機器やIPアドレスが分かるものではありません。では何に使うかと言いますとYAMAHAルータのconfigファイルを設定前と設定変更後などで変更箇所の確認をするために使います。
上記のように変更前と変更後の差分を確認すると修正や削除された箇所が色分けされるので見落としがなくなります。
また、YAMAHAルータを新しい機種へ交換する場合、利用できるコマンドや記述方法が変わる場合があるのでその変更箇所の特定にも使えます。
まとめ
今回紹介したソフトウェアは数あるネットワーク関係のソフトウェアの中で、私がいろいろ試した結果使いやすいと感じ実際に使っているものになります。このほかにも便利なソフトウェアはたくさんあります。大切なのはネットワーク調査や障害時に必要な情報をすぐに確認でき、自分が扱えるソフトウェアを見つけておくことだと思います。