皆様こんにちは。ネットワーク事業部の生方と申します。
突然ですが、皆様はMicrosoft Officeをお使いですか?
一般的に仕事でPCを利用されている方のほとんどは、何かしらのOfficeアプリをお使いかと思います。
では、実際にお使いになっているOfficeのバージョンやエディションはご存知ですか?
実は近年のOfficeはこの区分けが複雑になってきており、それぞれの違いもわかりにくくなってきております。
今回は、それぞれのOfficeの違いを整理して、どれを選ぶのが良いかをご案内したいと思います。
Officeのライセンス形態について
名称 | 特徴 |
---|---|
永続ライセンス | 一度購入すればずっと使える買い切り型。1ユーザが使用するPC2台までインストールできる。別のPCへ移すことも可能。 |
プリインストール(OEM) | PCに付属して最初から入っている。そのPCだけでしか使えないが、追加費用は必要なし。 |
サブスクリプション | 月額/年額で課金される。契約期間中はアップデートによって随時最新機能が利用できる。 |
ボリュームライセンス | 法人向けの複数ライセンス。企業や学校などで大量のPCにインストールする場合に利用する。 |
永続ライセンスは、家電量販店やダウンロード販売で購入できるライセンスです。
2台までインストールできるので、デスクトップPCとノートPCに入れるといった使い方ができます。また、PCを買い替える際にはアクティベーションを解除することで、新しいPCに移すことも可能です。
プリインストール(OEM)はPCに最初から入っている形態で、そのPC以外にライセンスを移すことはできません。本体価格に含まれますので、永続ライセンス版に比べ安価にOfficeが使用できます。
基本的にこの2種類が、昔からのOfficeのライセンス形態です。購入したOfficeは永続的に使えますが、新しいバージョンが発売されてもアップグレードはされません。
もう一つのサブスクリプションは、近年の動画・音楽配信サービスなどでよく使われる料金形態ですね。
利用中は継続して料金を支払いますが、その間に新しいバージョンのOfficeが発売されると自動的にアップデートされていくのが最大のメリットです。
また、法人向けのライセンス形態としてボリュームライセンスがあります。企業や学校などで大量のライセンスを必要とする場合にはこの形態を利用します。10台程度から数百台分まで、契約した台数分にインストールができます。複数台分の契約が必要な代わりに、通常のパッケージよりも単価が安く抑えられるのもメリットです。
Officeのバージョンについて
名称 | 発売年 |
---|---|
Microsoft Office 2019 | 2018年 |
Microsoft Office 2016 | 2015年 |
Microsoft Office 2013 | 2013年 |
Microsoft Office 2010 | 2010年 |
Microsoft 365 (旧名称 Office 365) |
2011年 |
ここで言うバージョンというのは、Office2019や2016など、発売された時期による分類になります。
過去には多くのバージョンが出て進化を遂げてきましたが、ここではWindows10で動作保証されているバージョンに絞って整理しておきましょう。
表のとおり、Officeはおよそ2~3年毎に新しいバージョンが発売されてきました。バージョンアップに従って新機能の追加や、グラフィックやデザインが変更されたりと様々な改善が行われています。
この中で特別なのが「Microsoft 365」です。これが前述のサブスクリプション形態のOfficeになります。
他のバージョンは、各バージョンごとの更新プログラムはあるものの、例えば2016から2019へ無償でバージョンを切り替えるということはできません。
しかしMicrosoft 365は、更新プログラムによって常に最新バージョンが利用できます。アップグレードによる追加料金などはなく、いつでも最新の機能が提供されます。
Officeのエディションについて
名称 | 公式価格(税込み) | 利用できるアプリ |
---|---|---|
Office Personal 2019 | 32,784円 | Word,Excel,Outlook |
Office Home & Business 2019 | 38,284円 | Word,Excel,Outlook,PowerPoint |
Office Professional 2019 | 65,784円 | Word,Excel,Outlook,PowerPoint,Access,Publisher |
Microsoft 365 Business Standard | 1,793円 / 月 | Word,Excel,Outlook,PowerPoint,Access,Publisher |
※公式価格は2020年8月現在のものです
Officeは同じバージョンでも、エディションによって使用できるアプリに違いがあります。
ここではOffice 2019とMicrosoft 365を例にしてエディションの違いを整理しておきましょう。
Personalは一番基本的なエディションです。文書作成の二本柱であるWordとExcelとメールソフトのOutlookが利用できます。個人向けの用途や、最低限の事務作業であればPersonalでも十分です。
PersonalにプレゼンテーションソフトのPowerPointが付属したのがHome & Businessです。一般的な企業向けのPCであれば、このエディションをお使いになるのが良いかと思います。
Professionalについては、データベースソフトのAccessと、DTPソフトのPublisherも利用できる最上位のエディションです。独自のシステム開発など特殊な利用目的が含まれる場合には必要となるでしょう。
永続・プリインストール版のOfficeについては、上記のエディションのどれかを選ぶことになります。後から機能の追加をすることは可能ですが、単品で販売されているアプリを追加購入する必要がありますので、事前にOfficeのエディションを確認しておくことが大切です。
サブスクリプションにも個人向けと法人向けがありますが、今回は法人向けの基本エディションであるMicrosoft 365 Business Standardを例として記載しました。
Business Standardの場合は、Professional 2019と同様に全てのアプリが使えるようになっています。
さらに、1TBのOneDriveクラウドストレージ、1ユーザで5台までインストール可能など、オプションサービスも充実しています。
契約期間も、月間契約と年間契約から選択できます。年間契約の場合には価格が割引となります。(1,496円 / 月)
法人向けの場合、ライセンスの追加なども管理画面で割り当てができますので、人数の増減にもスムーズに対応できます。
どれを選べばいい?
一つのPCで同じ機能ををなるべく長く使い続けるのであれば、永続・プリインストール版のOfficeの方が割安となります。
しかし、Officeにはバージョンによってサポート期限が決められており、サポート切れになったOfficeはアップデートが提供されなくなり、セキュリティ対策もされなくなります。
一方のサブスクリプション版は、全てのアプリが常に最新バージョンで使用できるうえ、サポート切れになる心配をせずに使い続けられるのが大きなポイントです。
また、数十台以上の規模で大量のライセンスを必要とする場合であれば、ボリュームライセンスも有効な選択肢となります。
大量にライセンスが必要になる分、1台あたりの単価は安くなります。また、基本的にボリュームライセンスは1つのライセンスキーで契約した台数分にインストールできますので、個別のライセンスキー管理が不要となるのもメリットです。
これまでの情報からまとめると、
●小規模で価格重視なら永続・プリインストール版
●最新機能を常に使用し、セキュリティにも配慮したいならサブスクリプション版
●大規模で大量のライセンスを必要とする場合はボリュームライセンス版
といった選び方が良いかもしれません。お使いになる環境や用途に合わせてご検討ください。
おわりに
弊社のトップページやブログでもお知らせしておりますが、2020年10月13日にOffice 2010がサポート切れとなります。
Windows7、Office 2010のサポート終了に備えてますか?
サポート切れになったからといってアプリが使用できなくなるわけではありませんが、セキュリティの危険性が高まったり、今後のOSのアップデートに対応できなくなる可能性もあります。
加えて、Office 2010がプリインストールされていたPCは本体そのものの性能や耐用年数も問題になってきます。
ちなみに、以前に弊社のブログで企業向けPCの寿命についても取り上げておりますが、PC買い替えのサイクルはおおよそ3~5年が目安となります。
企業が利用するパソコンの寿命ってどれくらい?
Office 2010がインストールされている機種は、殆どの場合買い替えのサイクルを過ぎております。これを機会にPCの乗り換えや、Officeのアップデートをご検討いただくのもよろしいかと思います。
今回ご紹介したMicrosoft 365を導入してみたい、PCの入れ替えを検討したい等の場合には、ぜひ弊社にご相談ください。
Officeは目的に合わせた契約形態が様々用意されており、今回の記事では説明しきれなかった部分もありますので、また次回以降の記事で取り上げらればと思います。