皆様、こんにちは。ネットワーク事業部の岡田と申します。
弊社にはデータセンターがあり、お客様のサーバーやネットワーク機器をお預かりしたり、保守・運用したりするサービスを提供しています。そこで今回のブログでは、データセンターのことがよくわからないという方にもわかりやすく、データセンターの「疑問」について答えていきたいと思います。記事を通じて、今後、データセンターの利用を検討する際の参考になればと思います。
データセンターとはそもそも何か?
データセンターとは、サーバーやネットワーク機器など重要な機器、システムを設置・運用している施設のことで、高速なネットワーク回線や空調設備、セキュリティ対策など安全・快適にシステムを運用するために、充実した設備が整っています。サーバーや通信機器の運用には他にも耐震・免震構造や非常用発電機、入退室管理システムなど様々な仕組みや設備が必要になります。ですが、すべての企業がこれらの仕組みや設備を準備できるわけではありません。そんな設備を利用したいけれど自身では用意ができないというユーザーのために、サーバーやネットワーク機器などを預かり、ユーザーの代わりにデータセンター内で保守・運用するサービスが登場しました。
このようなサービスを提供する事業者を「データセンター事業者」、事業者が運用するデータセンターを「商用データセンター」などと呼びます。この商用データセンターで提供されるサービスは大きく分けて「コロケーション(別名:ハウジング)」、「ホスティング(別名:レンタルサーバー)」の2つがあります。
以下がそれぞれの特徴となります。
- コロケーション
ユーザーが用意したサーバーなどの機器に対し、データセンター事業者が電源や通信環境を用意し、セキュアなスペースを提供するサービス。ユーザー自身が準備したサーバーを使用することができるため、要件に合わせたサーバーなどを選択できるが、運用や保守もユーザーが行う必要がある。
- ホスティング
サーバーやディスクスペース、通信環境などをデータセンター事業者が提供するサービス。運用や保守はデータセンター事業者が行うため、ユーザーの負担は少ないが、あらかじめOSなどが用意されている場合もあり、コロケーションに比べると自由度が低い。
IDC Japanが発表した国内データセンターサービスの市場予測によると、2020年~2025年の国内データセンターサービスの年間平均成長率は12.5%と高い成長率が維持されているといわれています。このように年々データセンターへの需要は大きくなっており、今後も多くの企業が利用することが予測されます。
弊社でもコロケーションやホスティングのサービスを行っており、多くのユーザーに利用して頂いております。こちらのリンク先(群馬データセンター)に弊社のデータセンターのサービスの詳細が記載されておりますので、ぜひご覧頂ければと思います。
災害にどう備えているか?
サーバーやネットワーク機器が災害の影響で停止してしまうと、サービスを提供できなくなるなど多くの方に影響が出てしまいます。そこで、データセンターは災害が起きても、サービスの提供に極力影響が生じないように以下のような対策を講じています。
- 建物自体が耐震構造になっている
- ガス消火設備を備えている
- 電力会社からの供給が停止した場合は、ガスタービンなどによる非常用発電機で電力を賄える
- 非常用発電機が起動するまでの間は、無停電電源装置(UPS)で電力を供給できる
弊社のデータセンターは、日本データセンター協会が定めるデータセンターの堅牢性・可用性・セキュリティなどの性能評価基準(ティア)で全4段階中の3段階目である「ティア3」相当の設備で運営をしています。また、お客様のサーバーやシステムを冗長化(2重化)させたり、遠隔バックアップを取ったりと、災害による被害からの回復措置や被害を最小限に抑えるための予防措置を講じています。さらに、群馬県は地震や洪水、台風の被害が少なく、データセンターの立地としては好条件となっております。
参考までに弊社にある設備をご紹介します。
〇ラック
〇窒素ガス消火設備
〇自家発電装置
運用をどう行っているのか?
データセンターのサービスでは多くの場合、データセンター事業者がユーザーから預かっている機器の監視や障害対応などの一部を請け負います。
「オペレーター」と呼ばれるエンジニアが、運用手順書に基づいて機器の死活監視をしたり、必要に応じて機器の起動、停止もします。さらにデータセンターでは、ネットワーク機器や空調設備、電源の電気設備などを保守・運用する人員も必要となります。
弊社でも毎日データセンターの保守、点検を行っている他、機器の死活監視をシステムで行っており、異常を検知した際は保守担当者にアラートが通知され、即時対応を行っております。
データセンターを利用するメリットは何か?
- サーバーやネットワーク機器などを安定的に稼働させるために、専用の電源設備や空調設備により最適な環境が維持されている
- 非常用発電機や無停電電源装置が常備されているため、停電によるシステム障害を防ぐことができる
- 耐震構造・免震構造になっているため、地震によるサーバーの転倒を防ぐことができる
- 空調設備が整っているため、サーバ内部の温度の上昇を防ぐことができる
- 入退出管理システムや監視カメラなどがあり、強固なセキュリティ対策が講じられている
- UTMなどが用意されており、サイバー攻撃への対策が講じられている
- 企業はサーバーやネットワーク機器の運用管理や障害対応などを行う必要がなくなるため、メインの業務に専念することができる
- 24時間365日サーバーを停止させることなく保守点検が行える設備、人員が整っており、万が一障害が発生してもすぐに復旧できるように体制が整えられている
データセンターを利用する際のポイントは何か?
データセンターを利用するにあたって、押さえておかなければならないポイントがありますので、簡単にご紹介します。
コロケーションかホスティングのどちらにするか?
コロケーションを利用し、サーバーの準備や運用、保守を自社で行うか、ホスティングを利用し、サーバーの準備や運用、保守をデータセンター事業者側で行ってもらうか決める必要があります。
災害リスクがどのくらいか?
地理・地形的に地震、津波、台風などの災害のリスクがあるか、データセンターの建屋に耐震・免震構造が施されているかを確認しておきましょう。
サーバラックの必要台数はどのくらいか?
データセンターに設置したいサーバーやネットワーク機器の数や大きさ、重量によって必要ラック数が変わります。
必要な電力量は何kVAか?
kVA(キロボルトアンペア)とは、消費電力のことです。サーバーやネットワーク機器などは電力がないと動きませんので、それらを設置するラックにどの程度の電力量が必要かを確認しておく必要があります。
インターネット接続回線は何を選ぶか?
データセンター事業者がもつ共用回線や専有回線から選択する事も出来ますし、ユーザー指定の回線を引き込むことも出来ます。必要帯域や固定IPアドレスの数などに応じて費用が変動します。
費用はどのくらいかかるか?
データセンターを利用する際にかかる費用としては主にラック使用料金、電力料金、回線利用料金などが挙げられます。費用が予算の範囲内であるか確認する必要があります。
以上、データセンターを利用する際のポイントを記載しました。弊社ではこちらの料金表をもとに、ユーザー様の要望にあったプランをご提案させて頂きます。
まとめ
以上、データセンターの「疑問」に回答するという形で、データセンターについてご紹介をいたしました。企業にとって大切なサーバーやネットワーク機器などを保守・運用する際に、データセンターの利用は非常に有効となります。ここ最近でも、雷による停電が各地で発生する場面があり、私自身もデータセンターがあることの重要性を実感しております。弊社サイトでもデータセンターに関するよくある質問をこちらのFAQにも記載しておりますので、併せてご覧下さい。データセンターに興味がある、今後利用を検討している、といった場合には弊社までお気軽にご連絡頂ければと思います。