今回は実際にあった障害対応の実例を紹介いたします。
お客様から「定期的にインターネット接続が切断されてしまいサイトが表示できない時がある」、「通信速度が遅いような気がする」というお問い合わせを頂いた時のお話です。
ネットワーク構成の確認
まずは現状を把握するためネットワーク構成の確認から行いました。
確認したネットワーク構成が下記になります。
現状の問題点
続いて今問題となっている点を整理します。
- インターネット接続が定期的に切断される
- 通信速度が遅い
まずはインターネット接続が切断される原因を調査します。
インターネット接続が定期的に切断される
インターネット接続が切断される時は「パソコンA~F」全てのパソコンが同時に切断されるようでした。
下記の順番でログの確認を行いました。
- プロバイダのログ
- VoIPルータのログ
- ルータのログ
- 無線アクセスポイントのログ
1.プロバイダのログ
プロバイダの通信ログを確認しましたが過去1ヶ月以上の間、通信切断のログはありませんでした。
2.VoIPルータのログ
VoIPルータにログインし再起動やリンクダウンのログを確認しましたがありませんでした。
3.ルータのログ
PPPoEやWAN側ポートの切断はありませんでしたが、LAN側ポートのリンクダウンのログがありました。
4.無線アクセスポイントのログ
16ポートハブと接続しているLAN側ポートのリンクダウンのログがありました。
上記から「1F MDF」に設置されている「16ポートハブ」の不具合のためリンクダウンが発生し、インターネットへの接続が切断されているようでした。
通信速度が遅い
各ネットワーク機器(ルータ、ハブ、無線アクセスポイント)にパソコンを有線LANで接続して通信速度の測定を行いました。
通信速度の測定は「Googleのインターネット速度テスト」を利用しました。
測定結果は下記になります。
Gigaに対応している「ルータ」は150Mbpsでしたが、「16ポートハブ100M」配下の通信速度は90Mbpsでした。
「16ポートハブ」が100Mのため、その配下の機器が影響を受けてしまっています。
改善策について
お客様には2台の100Mハブ(16ポートと8ポート)をGiga対応に交換することを提案し、全て交換することになりました。その結果、インターネット接続が切断されることはなくなりました。
また100Mハブを全てGigaハブに変更したことで、各ネットワーク機器および「パソコンA~F」の通信速度が上がりました。
それ以外にも社内の通信速度が100MからGigaになったことで、「全てのパソコン」から「ファイルサーバ」に保存されているファイルを開く時間が格段に短くなりました。
「全てのパソコン」から「ファイルサーバ」までの通信経路には100Mのハブがありましたが、社内全体の通信速度を速くしたことでデータのやり取りが速くなり、ファイルを開く時間が短くなったので、操作性が上がる結果になりました。
まとめ
今回はインターネット接続切断のお問い合わせが始まりでしたが、ネットワーク構成を確認することで他の問題も解決することができました。ハブはルータや無線アクセスポイントに比べると故障する頻度が比較的少ない機器になります。
光回線の導入やルータ、無線機器の更新をしてもハブはそのまま利用しているというお客様が多くいらっしゃいます。
そのため、ネットワーク全体を改めて確認してみることで、今より快適な環境を構築できる可能性があります。
弊社にお問い合わせ頂ければ現在のネットワーク環境を確認し、よりよい環境になるようご提案することができますのでご相談くださいませ。