近年、企業におけるデータ分析の重要性はますます高まっています。その中でも、アクセスレポートは、Webサイトやアプリの利用状況を把握し、改善策を検討する上でかかせない情報源です。しかし、膨大な量のアクセスレポートを分析するのは、時間と労力のかかる作業です。
そこで注目したいのが、AIによるアクセスレポートの分析です。AIは、人間では見落としがちなパターンや傾向を自動的に発見することができます。これにより、より効率的かつ効果的なアクセスレポート分析が可能になり、マーケティング戦略の立案や顧客満足度の向上に大きく貢献することができます。
今回は、弊社のアクセス・分析レポート『Groweb!』のアクセスレポートをAIにて分析してもらう方向で検証を行いましたので、その報告をさせていただきます。(2024年7月現在での機能検証した内容となります)
ネディアはWebアクセス解析・分析レポート『Groweb!(グローブ)』の取扱代理店となっております。この記事によって、ご興味を持ちましたら弊社までお問い合わせくださいますようお願いいたします。
GA4対応のWebアクセス解析・分析レポート
『Groweb!(グローブ)』
月額利用料 10,000円/月(税抜)
前段階のAIの選定の経緯からご紹介いたしますが、『Groweb!』レポートの分析だけ読みたい!、結果だけ知りたい!という方は飛ばしていただいて
■OpenAIの『ChatGPT』で『Groweb!』レポートを分析
からお読みください。
AI利用の注意点
AIにデータを分析してもらうにあたり、機密情報・個人情報の取り扱いや学習させない設定など、対策を十分に行うか理解したうえで自己責任にて取り扱うようお願いいたします。
また、AIは不正確な情報を提示することもあることを前提に有効利用していきましょう。
Googleの『Gemini』
Gemini公式サイト https://gemini.google.com/
まずはGoogleアナリティクスとの親和性が高そうな『Gemini』に方法があるか聞いてみました。
有料プランではなく無料プランで聞いてみます。
『Gemini』に聞いてみた
「GeminiではGoogleアナリティクスとの親和性も高そうですが、GoogleアナリティクスのアクセスデータをGeminiで分析する方法はありますか?」
と質問しましたところ、回答は、
方法1:Google AnalyticsとGeminiを直接連携する
Google AnalyticsとGeminiを直接連携することで、アクセスレポートのデータをGeminiに取り込み、分析することができます。連携には、Google AnalyticsのAPIキーとGeminiのプロジェクトIDが必要となります。
連携方法
Geminiのコンソールにアクセスし、「接続」メニューを選択します。
「新しい接続を追加」をクリックし、「Google Analytics」を選択します。
Google AnalyticsのAPIキーとGeminiのプロジェクトIDを入力し、「接続」をクリックします。連携が完了すると、Google AnalyticsのデータがGeminiに取り込まれ、分析できるようになります。
『Gemini』ではGoogleアカウントの『組織アカウント(有料プラン)』必須
弊社のWebサイトで連携をすすめようと思ったのですが、Googleアカウントの『組織アカウント(有料プラン)』が必要とのことで、Geminiでの分析を断念いたしました。
別の手法で
方法2:Google AnalyticsのデータをBigQueryにエクスポートし、Geminiで分析する
というのもあるようですが、ユーザー行動分析、コホート分析、顧客生涯価値分析、トレンド分析に限定されるようですので、今回の目的とは異なります。
組織アカウントを導入済みの方、お金がかかっても良いという方にはおすすめの手法だと思います。
OpenAIの『ChatGPT』
ChatGPT公式サイト https://chatgpt.com/
続いて『ChatGPT』に挑戦します。こちらも無料プランで聞いてみます。
『ChatGPT』に聞いてみた
「ChatGPTではGoogleアナリティクスのアクセスデータを分析することはできますか?どんな手法になりますか?」
と聞きましたところ、回答は、
「ChatGPT自体は直接Googleアナリティクスのアクセスデータを分析する機能は持っていません。しかし、Googleアナリティクスのデータをエクスポートして、そのデータに基づいて分析する方法や手法についてアドバイスを提供することは可能です。」
とのことでした。
『ChatGPT』ではエクスポートデータを整形する必要あり
上記『ChatGPT』からの回答の続きで整形する手順まで説明してくれましたが、
1. データのエクスポート
2. データの前処理
3. 分析手法
4. ツールとスクリプトの使用
と説明されまして、Pythonでのスクリプトのコードまで出力してもらえるのですが、詳細分析の都度Pythonのコードが必要になるとのことですので、操作が難しいと思います。
『ChatGPT』で『Groweb!』レポートを分析
本命の質問となります。『ChatGPT』ではPDFの分析ができるとのことですので、弊社サービスのアクセス分析・レポート『Groweb!』のPDFレポートをそのまま分析できるか挑戦してみました。
『ChatGPT』に聞いてみた
「PDFのアクセスレポートがあるのですが、そちらを元に分析を行うことはできますか?」
と聞いてみましたところ、Pythonを使ってPDFからデータを抽出して整形して、、、と促されますが無視してPDFレポートをそのまま添付してみます。
『ChatGPT』に『Groweb!』レポートをそのまま添付
添付ボタンより2024年6月度の『Groweb!』レポートを添付し、質問は、
「このPDFは弊社サイトのアクセスレポートなのですが
内部SEOの観点で分析や改善点などをお願いできますか?」
と聞いてみます。
回答は以下の感じになりましたが、レポートの数値を羅列しているだけで、改善点も当たり障りのない内容となっています。
他にもいろいろ質問してみる
このままでは時間をかけて検証したのに、たいしたことない結果になってしまうので、他にもいろいろと質問してみたところ、質問の仕方によっては有用な回答が得られました。
Q.どのページをどのように改善するとエンゲージメントが増えるでしょうか?
この質問をしましたところ、3ページ分のコンテンツ拡充などについての改善策の提示がありました。
こちらを元に改善を行えればサイトのアクセスアップ、問い合わせアップにつながると思います。
Q.他社のサイトと比べると 弊社のサイトはどのような特徴がありますか?
アクセスデータを元に一般的なサイトと比べてどのような傾向があるか提示をしてくれます。
弊社サイトではブログのアクセスが多いこと、リピーターの獲得、SNSからの訪問の獲得が十分でないとのことです。
アクセスレポートデータと実際のページを用いて分析
3ページ分の改善案の提示をもらいましたので、その3ページのURLを提示して具体的な改善案を聞いてみたところ、ページごとにどのような改善を行えばよいかの回答を得ることができました。
質問はこちら
「以前、改善すべきページと改善提案として
3ページ分のコンテンツ拡充などの具体策をいただきました。
その3ページ分のURLが以下になります。
アクセスレポートと実際のページを照らし合わせて具体的な改善案を頂ければと思います。
ネットワーク構成図作成ツール「Network Sketcher」を試してみる
https://www.nedia.ne.jp/blog/tech/2024/05/21/23204
POPとIMAPを併用する時の注意点
https://www.nedia.ne.jp/blog/2021/07/20/18010
YAMAHAルータ リモートアクセスVPN(IKEv2)の設定
https://www.nedia.ne.jp/blog/2024/02/27/22802」
回答はこちら
・ネットワーク構成図作成ツール「Network Sketcher」を試してみる
改善提案:
詳細なガイドの追加:
ツールの使い方をステップバイステップで詳しく説明します。スクリーンショットや動画を追加し、ユーザーが具体的にどのようにツールを使うのかを視覚的に理解できるようにします。実際の使用例の紹介:
ツールを使用して作成したネットワーク図の具体例をいくつか紹介します。これにより、ユーザーがツールの有用性を具体的にイメージしやすくなります。インタラクティブなデモ:
ユーザーが実際に試せるインタラクティブなデモをページに埋め込むことで、エンゲージメントを高めます。CTAの配置:
ページ末尾や途中に「今すぐお問い合わせ」「資料請求」などのCTAボタンを目立つように配置し、具体的なアクションを促します。
・POPとIMAPを併用する時の注意点
改善提案:
ビジュアル要素の追加:
記事内に図解やインフォグラフィックスを追加し、POPとIMAPの違いや注意点を視覚的に分かりやすく説明します。FAQセクションの追加:
よくある質問とその回答を追加し、ユーザーが抱きやすい疑問を解消します。ケーススタディの紹介:
POPとIMAPを併用する実際のケーススタディを紹介し、具体的な利用シナリオを提供します。CTAの配置:
記事の最後に「詳細な資料請求」「専門家に相談する」などのCTAボタンを配置し、ユーザーの次のアクションを誘導します。
・YAMAHAルータ リモートアクセスVPN(IKEv2)の設定
改善提案:
詳細な設定手順の追加:
設定手順をステップバイステップで詳細に説明し、画像やスクリーンショットを追加します。これにより、ユーザーが具体的にどのように設定を進めるかを理解しやすくなります。ユーザーレビューの掲載:
実際のユーザーの成功例や体験談を掲載し、信頼性を高めます。トラブルシューティングガイドの追加:
設定中に発生しやすい問題とその解決策をまとめたトラブルシューティングガイドを追加します。CTAの配置:
記事末尾に「詳細な資料請求」「技術サポートに問い合わせる」などのCTAボタンを配置し、ユーザーの次のアクションを誘導します。
とくにレポートで触れられていないトップページの改善案を聞いてみる
よく見られるトップページについて改善案を聞いてみました。
質問はこちら
「https://www.nedia.ne.jp/
こちらがトップページになるのですが、
こちらもPDFのアクセスレポートと見比べて
改善案の提示をいただければと思います。」
回答はこちら
ネディアトップページ改善案
ナビゲーションの整理:
カテゴリの数が多いため、メニューを縮小し、ユーザが重要な情報にすぐアクセスできるようにする。
例えば、主要サービス(データセンター、ITサポート、ウェブサービス)をメインカテゴリとして他のカテゴリをサブメニューに移動。デザインの改善:
主要サービスや新着情報を目立たせるために、ホームページにスライドショーやバナーを追加。
よりモダンで視覚的に魅力的なデザインにすることで、訪問者の関心を引きやすくする。コンテンツの最適化:
各サービスの説明を簡潔かつ具体的にし、利用者が必要な情報を迅速に取得できるようにする。
ユーザーレビューやケーススタディなどの実例を追加し、信頼性を向上させる。
まとめ
今回の検証では、Googleの「Gemini」とOpenAIの「ChatGPT」の2つのAIサービスを用いて、アクセスレポートの分析を試みました。
・Geminiは、Googleアナリティクスとの直接連携が必要であり、有料の組織アカウントの導入が必須となります。
・ChatGPTは、PDFファイルを直接分析することが可能であり、具体的な改善策の提案も得られました。
AIは、適切な活用によって、生産性の向上、企業の競争力強化に大きく貢献することができます。今後は、AIの機能追加と活用方法の開発がさらに進み、より多くの企業でAIが活用されていくことが期待されます。