先日、お客様から複合機のスキャナ機能(パソコンの指定フォルダへの取り込み)が利用出来なくなってしまったという問い合わせがありました。
弊社から納品させていただいた複合機ではなかったのですが、スキャナ機能が利用出来るパソコンと利用出来ないパソコンがあり、複合機自体の不具合ではなく、ネットワークやパソコン側に不具合の可能性があるということでのお問い合わせでした。
原因の切り分けとして、まずパソコンの再起動やセキュリティソフトの無効化を行ったのですが、結果は変わらず複合機のスキャナ機能を利用する際に登録してあるパソコン(フォルダ)が複合機から見つからない状態です。
続いて行ったのが、不具合が発生しているパソコンのSMB1.0クライアント機能が無効になってしまっていないかの確認です。
なぜ行ったかというとWindows Updateにより、SMB1.0クライアントが無効になってしまうケースがあり、それによりファイルサーバへ接続できなくなったり、今回のケースと同様にスキャナ機能が利用出来なくなる不具合が過去にあった為です。
詳しくは以前の記事を参照ください。
SMB1.0機能が有効になっているかコマンドプロンプトなどで確認しましたが、SMB1.0機能は有効になっており、現認解決とはなりませんでした。
不具合の原因は、Windows Updateだった
いよいよ簡単には解消出来ない不具合だなと思い始めたのですが、そこでふとお問い合わせがあったのが15日ということで、Windows Update が原因ではないかと予想し、システムの復元を実行してみました。
(システムの復元とは、簡単に説明するとパソコンに何か不具合があった時にセーブポイントを呼び出すことにより、パソコンが正常だった過去の状態に戻す事が出来る機能です。Windows Updateの適用の取り消しに加えて、各種プログラムのインストール前の状態に戻すことが可能です)
直近のWindows Updateが適用される前の復元ポイントがありましたので、そちらに戻してもらったところ、この予想が当たり無事スキャナ機能の不具合が解消されました。
翌日、本件の追加情報がないか調査したところ、マイクロソフトのHPでWindows Updateが原因で共有ファイルの接続等に不具合が生じていたと発表があり、修正用のプログラムが配信されておりました。
不具合を伝えるニュースサイト
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1164614.html
マイクロソフトの修正用プログラム入手サイト
http://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB4487345
本件に対する複合機メーカーのFAQ
http://faq.ricoh.jp/app/answers/detail/a_id/184/~/%E3%80%90windows-7%2Fwindows-server-2008%2Fwindows-server-2008
不具合発生直後の場合、マイクロソフトや各メーカーのホームページにも解決策が記載されていないことが多いため、正確な情報を入手出来ないのですが、今回はシステムの復元によりいち早く問題を解決することが出来ました。
不具合の原因がWindows Updateかどうか見極めるポイント
Windowsのシステムの復元には、多少なりとも危険が伴いますので、どうしても急いで復旧したいというケース以外には使わない方が良いです。
待てる場合には2、3日待って利用している機器のメーカーやマイクロソフトから情報が出ていないか確認した方が良いでしょう。
それでもシステムの復元で不具合が解消するかどうか試したいという方のために、最後にWindows Updateが原因かどうか見極めるポイントを紹介します。
①不具合が発生する直前にWindows Updateを実行していないか
そのままではありますが、そういえば不具合発生前にWindows Update後の再起動を促されてたっけなぁという場合にはWindows Updateが原因の可能性が高くなります。
パソコンを起動したままでおくと設定によってはWindows Update後の再起動も自動で行われてしまい気づかないこともありますので、注意が必要です。
②不具合の発生時期が中旬頃かどうか
Windows Updateは緊急パッチが出た時でもない限り、毎月第2水曜日に配信されます。
その為、不具合の発生時期が月初や月末の場合はWindows Updateが原因の可能性は低くなります。
③OSによって不具合の発生状況に違いがあるか
例えば、Windows7では不具合が発生しているが、Windows8やWindows10では発生していないといった場合、Windows Updateが原因の可能性が高くなります。
Windows Updateの配信日は同じでもその内容はOS毎に異なりますので、特定のOSだけに不具合が発生するケースも少なくありません。なお、今回のケースはWindows 7/Server 2008 R2だけで発生したようです。
同じ現象でお悩みの方のお役に立てればと思います。