これまでは、無償アップグレード対象のWindows 7/8.1ではWindows Updateの「オプション」からWindows10へのアップグレードの設定が行えました。
しかし現在はWindows 10への無償アップグレードが「オプション」から「推奨される更新プログラム」に変更された為、Windows Updateの初期設定のままでは自動的にWindows 10へアップグレードされてしまう状態になっています。
その結果、意図せずWindows 10へのアップグレードが開始されてしまい、その結果何らかの不具合が発生してしまったというケースが多く出ているようです。
諸事情で、Windows 10へのアップグレードをしたくないという人も多いと思いますので、今回はWindows 7/8.1からWindows 10への自動アップグレードを行わないようにする設定方法を紹介します。
目次
Windows 10への自動アップグレード回避方法について パターン1
以下の作業を実施することでWindows 10への自動アップグレードを回避することが出来ます。
【1】 トラブルシューティング ツールを実行する
1.以下のリンクをクリックします。
http://aka.ms/diag_70952
2.マイクロソフト公式の対策ツール「70952.diagcab」のファイルがダウンロードされるので、「ファイルを開く」をクリックします。
※使用しているブラウザによっては、ダウンロード後にダブルクリック等でファイルを実行する必要があります。
3.「次へ」をクリックします。
4.「Upgrade Later」をクリックします。
5.完了の表示がでたら、「閉じる」をクリックします。
【2】「Windows 10 を入手する」の通知アイコンを非表示にする
1.管理者でコマンドプロンプトを起動します。
Windows 7 の場合
a.Windowsスタートメニューから「すべてのプログラム」をクリックします。
b.次に「アクセサリ」をクリックします。
c.アクセサリ内の「コマンドプロンプト」にマウスカーソルを合わせ右クリックし、 [管理者として実行] をクリックします。
Windows 8.1 の場合
Windowsボタンを右クリックしてメニューを出し、その中から [コマンドプロンプト (管理者)] をクリックします。
2.以下の文字を入力し、Enter キーを押します。
reg add HKLM\Software\Policies\Microsoft\Windows\Gwx /v DisableGwx /t REG_DWORD /d 1 /f
※正しく操作が完了した場合は、 「この操作を正しく終了しました。」と表示されます。
※次の手順も同じようにコマンドプロンプトから実行します。
【3】 Windows Update 経由のアップグレードをブロックする
1.管理者でコマンドプロンプトを起動します。
2.以下の文字を入力し、Enter キーを押します。
reg add HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate /v DisableOSUpgrade /t REG_DWORD /d 1 /f
※正しく操作が完了した場合は、 「この操作を正しく終了しました。」と表示されます。
【4】パソコンを再起動する
画面をすべて閉じてパソコンを再起動してください。
以上の設定を行うことで、Windows 10へのアップグレードが自動的に開始されることを防ぐことが出来ます。
Windows 10への自動アップグレード回避方法について パターン2
通常はパターン1で紹介した方法で回避できますが、まれにパターン1の【1】で紹介した方法が上手く行かないケースもあるようです。その際には下記の方法をお試しください。
- Windows Updateの重要な更新プログラムの設定を「更新プログラムを確認するが、ダウンロードとインストールを行うかどうかは選択する」に変更する
- 「推奨される更新プログラムについても重要な更新プログラムと同様に通知する」のチェックボックスを外す
Windows 10への自動アップグレードが開始されないようにするには、Windows Updateの重要な更新プログラムの設定を「更新プログラムを確認するが、ダウンロードとインストールを行うかどうかは選択する」に変更しておくことで解決できます。
そして「推奨される更新プログラムについても重要な更新プログラムと同様に通知する」のチェックボックスを外しておくことで、Windows 10へのアップグレードが一覧に表示されなくなりますので、こちらの設定をしておくとさらに安心です。
具体的な方法は下記の通りです。
「コントロールパネル」 → 「Windows Update」 と進み、左にあるメニューから設定の変更をクリックします。
重要なプログラムの項目で、初期設定で「更新プログラムを自動的にインストールする(推奨)」となっている箇所を「更新プログラムを確認するが、ダウンロードとインストールを行うかどうかは選択する」に変更します。
続いて、推奨される更新プログラムの項目で「推奨される更新プログラムについても重要な更新プログラムと同様に通知する」にチェックが入っていた場合、チェックを外します。
最後に「OK」を押して、設定を反映させてください。
以上の設定を行うことで、Windows 10へのアップグレードが自動的に開始されることを防ぐことが出来ます。
Windows 10へのアップグレード後に、元のWindows 7/8.1に戻したい場合
Windows 10へのアップグレード後、1ヶ月以内であれば元のWindows 7/8.1に戻すことが可能です。
ただし、失敗して起動不能になるケースもあるようなので、大切なデータは外部メディアなどにバックアップしておくことをお勧め致します。
また、以下の動作を行うとダウングレードに失敗したり出来なくなるようなので注意が必要です。
- 「システムファイルのクリーンアップ」機能を使う
- 「このPCを初期状態に戻す」の機能を使う
- アップグレード後に、新規ユーザーアカウントを追加する
- Windows.oldフォルダー、\$Windows.~BT フォルダーを削除する
- Cドライブの空き容量が極端に小さくなった(10GB以下または10%以下)
- ドライブ構成を変更する(外付けHDD/DVDドライブ、USBメモリなど含め、ドライブを増やしたり減らしたりする)
Windows 10へのアップグレード後に、元のWindows 7/8.1に戻す手順は下記の通りです。
1.[回復]から元に戻す
Windows 10の[設定]から[更新とセキュリティ]を開き、[回復]をクリックします。[Windows 8.1に戻す](元のOSによって表記が異なります)という項目が表示されるので、[開始する]をクリックします。
2. 戻す理由を選択する
どうして元のバージョンに戻したいのか、という理由を選択します。当てはまる項目がないときは[その他の理由]をクリックし、理由を入力します。完了したら[次へ]をクリックします
3. 注意点を確認する
元に戻すと、一部のアプリの再インストールが必要になったり、設定が失われたりする可能性があることが表示されます。内容を確認して[次へ]をクリックします。
4. パスワードに関する注意を確認する
元に戻したあと、サインイン画面(ログイン画面)では、以前のOSで使っていたパスワードを入力する必要があります。アップグレード後にパスワードを変更した場合などは、気づかずに異なるパスワードを何度も入力すると、サインインできなくなることがあるので注意しましょう。内容を確認したら[次へ]をクリックします。
5. 復元を実行する
[Windows 8.1に戻す]をクリックして、元に戻す(復元する)作業を開始します。
6. 復元が開始される
以前のOSが復元されます。
まとめ
Windows 10へのアップグレードは無償ということもあり確かに魅力的ではありますが、アップグレードに失敗したり、アップグレード後に不具合が出るようになったりと現状デメリットも無視出来ない状態です。
Windows 7/8.1共にサポート終了までまだ日がありますので、現状のOSに不満がなければむしろ無理にアップグレードしない方が賢明ではないかと個人的には思います。
また各PCメーカー側でもアップグレード対応機種(動作検証済み)の一覧があったり、不具合の解消方法などの情報があるようですので、Windows 10へのアップグレードを検討していたり不具合が発生して困っている方はそちらを一度確認してみることをお勧め致します。
DELL
http://www.dell.com/support/article/jp/ja/jpdhs1/SLN297954
富士通
https://azby.fmworld.net/support/win/10/?supfrom=info20150626
NEC
http://121ware.com/navigate/support/win10/ms/upgrade.html
EPSON
http://shop.epson.jp/pc/other/win/win10/upgrade/
SONY
https://www.sony.jp/support/vaio/windows/10/
それでは。