千本木です。
Appleから iOS 10やmacOS SierraにアップグレードするとPPTP接続が使えなくなるというアナウンスが今年7月に行われました。
Apple – iOS 10 および macOS Sierra にアップグレードする前に PPTP VPN の削除に備える
このアナウンス後、程なくしてiOS 10とmacOS Sierraがリリースされましたが、確かにPPTP接続は使えなくなってしまいました。
今回はこのPPTP接続のお話です。
目次
AppleがPPTP接続をサポート対象外とした経緯
VPN接続は非常に便利な機能ですが、そもそも新バージョンのOSからAppleがPPTP接続をサポート対象外としてしまったのはなぜでしょうか。
それはPPTP接続で使用されている認証プロトコルMS-CHAPv2にセキュリティ上の脆弱性があり、これをAppleが問題視したようです。
YAMAHA – MS-CHAPv2の認証情報漏えいの問題に関する注意喚起について
iOS 10からのテザリングもできない
- macOS Sierraを搭載したMacBook等からPPTP接続ができない
- iOS 10を搭載したiPhone自体からPPTP接続ができない
上記についてはAppleのアナウンス段階から予想できたことだったのですが、意外なことに、iOS 10を搭載したiPhoneを使ってテザリングしたPCでもPPTP接続ができなくなってしまいました。
私の周辺でもiPhoneを使ってテザリングを行い、PPTP接続されている方が結構いらっしゃいましたが、OSをアップグレードした段階で接続できなくなったという話をよく耳にしました。
解決方法を考える
では、解決方法はないかを考えてみたいと思います。
AppleではPPTPに代わってL2TP/IPSec等のVPN接続方法を推奨しています。
どうにか設定で解決できないものかと色々設定してみましたが、結局PPTPではダメで、Appleの推奨する別のVPN接続方法に切り替える必要があるようです。
VPN対応ルータ自体を変更する
PPTP接続環境を構築している場合、ほとんどの場合がPPTP接続対応のルータを使用していると思いますので、これを交換してしまう方法です。
ちなみに当社ではYAMAHA製品を扱うことが多いのですが、L2TP/IPSecへの対応状況は以下の通りです。
L2TP/IPSecに非対応の製品
- NVR500
- NVR510
L2TP/IPSecに対応可能な製品
- NVR700W
- RTX810
- RTX1210
- RTX3500
- RTX5000
別途OpenVPNなどでVPNサーバを立てる
サーバが立てられる環境であれば、OpenVPN等を使ってVPNサーバを立ててしまえば解決できますが、少し敷居が高いかもしれません。
またFortiGateなどのセキュリティアプライアンス製品が社内にある場合には、VPN機能をサポートしていて使える場合があります。
まとめ
ちなみにテザリングができないとお悩みの方は、あまり現実的ではないかもしれませんが、いっそのことAndroidやモバイルルータを使ってテザリングすれば解決ができます。
弊社ではL2TP/IPSec等への移行のサポートも行っておりますので、上記の問題でお困りの方は是非ご相談ください。