Plesk でサブドメインの追加が出来ない場合はコレを試してみよう

弊社はPlesk搭載サーバの運用及び保守を行っているのですが、先日ドメインの追加は出来るもののサブドメインの追加のみが出来なくなることがありました。
ニッチな情報だとは思いますが、原因と解決に至った経緯を紹介させていただきます。

なお、今回紹介する方法を実行したことで問題が発生した場合でも、弊社で責任は負いませんのでくれぐれも自己責任においてお試し下さい。

Plesk でサブドメインの追加が出来ない

初めに、不具合が発生した状況をもう少し詳しく記載しますと、Pleskの管理画面で、【ウェブサイトとドメイン 】内にある、【サブドメインを追加】からサブドメイン名を作成してみると、以下のメッセージが出て、サブドメイン の追加が出来ない状態となりました。

　エラー: jail リストを取得できません。f2bmng failed: ERROR:__main__:Failed to get packages by files: package manager returned 5 lines instead of expected 3. Command was [‘/bin/rpm’, ‘-qf’, ‘–queryformat’, ‘%{NAME}\\n’, ‘/etc/fail2ban/jail.conf’, ‘/etc/fail2ban/jail.d/plesk.conf’, ‘/etc/fail2ban/jail.local’] and returned exit status 1. Your package system might be inconsistent. Please check it for issues with ‘plesk sbin pum –check –full’.

ちなみにエラーメッセージの末尾にある plesk sbin pum –check –full というコマンドは実行しても何も検出されない状態でした。

状況確認1 Fail2ban が怪しい

エラーメッセージ内にfail2ban をいう文字列があるため、Pleskの管理画面の【セキュリティ】内にある 【IP アドレスによるアクセス制限（Fail2ban）】の動作を確認することにしました。

メニューのタブには アクセス制限中の IP アドレス、 信頼できる IP アドレス、jail、ログ、設定 とあるのですが、その中のjail をクリックすると、サブドメインの追加を行った時と同様のエラーメッセージが出てタブを開くことが出来ません。そのため、Fail2ban 関連の不具合の可能性がさらに高くなりました。

状況確認2 Fail2ban を無効にしてみる

Fail2ban 関連の不具合かどうかを確認する為に一時的に Fail2ban を無効にして、サブドメインを追加してみることにしました。

Fail2ban の無効化は 設定 タブにある 侵入検知を有効化 のチェックを外すことで可能です。
(無効にするとセキュリティレベルが低くなるので、作業終了後は忘れずに有効化しましょう)

この状態で、サブドメインの追加を試したところ、問題無くサブドメインの追加が出来ました。
また、再度Fail2ban の有効化すると、またサブドメインの追加が出来なくなるので、Fail2ban関連の不具合と見て間違いなさそうです。

状況確認3 Fail2ban の状態を確認してみる

続いてPleskサーバにSSHでログインして、Fail2ban のバージョンを確認することにしました。

驚いたことに、バージョンが異なる2種類のFail2ban がインストールされておりました。

通常ではあり得ないため、どちらか片方をアンインストールすることで、不具合は解消出来そうですが、どちらをアンインストールして良いか判断が付きません。

状況確認4 Pleskのフォーラム内で情報収集

同様の現象についてPleskのフォーラムを確認したところ、下記の記事が見つかりました。

　https://www.plesk.com/kb/support/cannot-create-subscriptions-after-plesk-upgrade-hosting-update-is-failed-f2bmng-failed-error__main__command-bin-rpm-qf-queryformat/

今回の不具合はFail2ban のパッケージが重複してインストールされていると発生する不具合とのことで、Yum のソリューションを使用して重複パッケージを削除すれば解決すると書かれています。
ただし、どちらをアンインストールすれば良いかの判断方法などについては詳しい説明はありません。

状況確認5 Pleskが管理しているFail2banのバージョンを確認

そこでPlesk管理画面より、Pleskが管理しているFail2banのバージョンを確認してみました。

ツールと設定　システムアップデート から すべてのパッケージ タブをクリック、

検索窓に fail2ban と入力して検索 を実行

これでPleskが管理している Fail2ban のバージョンが判明しました。

Plesk でサブドメインの追加が出来ない、が解決

不要なFail2banをアンインストールする

ここまでくれば後は簡単です。

以下のコマンドを実行してPleskが管理していない方(上記で出てこない方)のFail2banをアンインストールします。

パッケージの重複が無くなったことで、問題無くサブドメインの追加が出来るようになりました。

Plesk搭載サーバのパッケージ管理は、基本的にPleskで行うことが推奨されている、手動でのパッケージ操作はPlesk非搭載サーバと比べて気を使いますが、無事に問題を解決することができました。

最後に宣伝になってしまいますが、冒頭でも記載している通り、弊社はPlesk搭載サーバの保守もしておりますので、保守を依頼したいという方はお気軽にご相談ください。それでは。

この記事を読んだ方はこちらも読まれています

「The pgsql driver is not currently installed」問題（Plesk環境） Dockerの資源管理について(CPU、メモリ) KUSANAGI for AWSのディスク容量を拡張する方法 2020年版